中山競馬場 ゴンドラ席へ
12月から続いた冬開催の最終日に中山競馬場へ。
冬の中山を締めくくるレースといえば中距離GⅡのAJCCだ。
◆ネット予約窓口で引き換え
奮発してゴンドラ席を押さえた。
1席3300円。日本の競馬場でこれより値段の高い指定席が他にあるだろうか。
窓口でクレジットカードを提示。「指定席ネット予約」で押さえたチケットと引き換える。
争奪戦になるのは難点だが、朝イチから並ばずに済むネット予約は非常に便利。私が到着した9時30分過ぎに、この日の当日券はほとんどの席種で既に完売していた。
エレベーターに乗り込んでいざゴンドラ席へ。
◆ゴンドラ席エリアに入場
入口から絨毯敷き。
フロアに入ると、どこぞのホテルや宮殿と見まがう豪華なレイアウト。
一般席だけでなく3,4階の指定席とも雰囲気が全然違う。3300円払った甲斐があった。
あとは馬券で取り返すことができればさらにうれしい。
◆いざ着席
座席は全席指定。机に貼られているシールの番号の席に腰掛ける。
室内には2人掛けか4人掛けの机が並ぶ。椅子はオフィスの会議室にあるようなもので、肘掛けもあり座りやすい。たしかイトーキ製だったかな。
私のような「おひとり様参戦」だと必然的に相席になる。今回は2人掛けの机で、目の前には中館英二調教師に似ているおじさんが座っていた。
これが若いお姉さんならば、ゴンドラ席からロマンスがはじまる...いや、そもそも若いお姉さんが3300円も払って一人で競馬観戦に来ないか。
今回あてがわれたのは15号室。
15号室は最も4コーナー寄り。ネット予約でギリギリ取れた座席に文句を言うとバチが当たるかもしれないがアンラッキーだった。ゴール版寄りの4号室と15号室ではレースの見え方も違うはず。
◆ゴンドラ屋外席
レース観戦時は屋外席に移動する。
15号室は4コーナーを曲がってすぐのところに位置するため、差し馬を軸に買うと眼下を過ぎる脚色で馬券の"出来"がほぼ分かる。ゴール前の様子はターフビジョンで確認する。
ちなみに、他場のレースは室内のモニターで全レース放映してくれる。
差し馬のワンツーで決まった5レースで3連複(130倍)を的中。
4角手前から仕掛けてグンと伸びていくマイネルキラメキ(9番)、連れて上がっていくワセダインブルー(6番)の脚色を生で観てアドレナリンが出た。
差し馬から買うのが好きな人には、ゴンドラエリアの屋外席がうってつけかもしれない。
◆ゴンドラ席グルメ
フロアをうろちょろしている給仕のオバちゃんに席番号を伝えて注文すると、座席まで料理を持ってきてくれる。ゴンドラ席、至れり尽くせりではないか。
ただし、このシステムには一つ欠点も。理由は後述する。
正面のおじさんは座席に置いてあるメニューを吟味して、昼過ぎにカキフライ定食を注文していた。
正直、メニューのラインアップはイマイチだと思う。全体的に高いのに加え、どうも料理が価格に見合っていない。
もっとも、ゴンドラ席の"常連"の方々はいちいち目くじらをたてないのかもしれないが...
結局、私は下に降りて「翠松楼」でラーメンを頂いた。
地下の立ち食いエリアでズルズルっと、これが落ち着くのよ。
◆まとめ
競馬場の指定席としては非常に高い部類に入るであろう3300円、設備そのものは値段に見合うものがある。「豪華な環境で競馬観戦」という部分では満足度は高い。
ゴール前はターフビジョンで確認することになるが、その分3~4コーナーや4角入口の「勝負所」の攻防は十分に楽しめる。
ゴール前での観戦を第一とするならA指定席、快適性に重きを置くならゴンドラ席(やキングシート)を選ぶのが良い。これに関してはそれぞれの価値観による。
ゴンドラ席の欠点として挙げたいのは、給仕のオバちゃんのやかましさ。
オバちゃん同士にヒエラルキーがあるのか、ちょっとした言い合いを頻繁にしている。伝票の打ち方が間違っているだの、下げた皿の置き方がおかしいだの、つまらん口げんかを客前でしないでほしい。
レース観戦や馬券検討に夢中で、多くの人はオバちゃんの言い合いなど気にならないのかもしれない。しかし、せっかく「豪華な観戦エリア」を仕立てているのにそれを台無しにしているのはもったいない。改善の余地あり。